UTP ケーブルは、多くの場合ビデオ信号の到達範囲を拡張するために、ビデオや KVM エクステンダと一緒に使用されます。軽量で扱いやすく安価なため、そうした用途で普及しています。しかし、ツイストペアケーブルの長いストレッチを介してビデオを送信する際に、色ずれや色割れと呼ばれる現象に見舞われることもあります。
UTP ケーブルは、4つのツイストペア、またはワイヤで構成されています。各ペアは異なる間隔でねじれているため、それぞれのワイヤペアは、実際異なる長さになることがあります。
色ずれとは、ビデオ画面上のオブジェクトの周りで時々見られる、色付きの影のことです。ケーブル内のワイヤのペアは、ペア間のクロストークを低減するため、わずかに異なる間隔でねじれています。これにより、色ずれが UTP ケーブルで発生することがあります。ワイヤペア間のこのような違いにより、さまざまな色のビデオ信号は多くの場合、それぞれ互いに異なる距離を移動してリモート受信機に達します。ワイヤがより長いことで、1つの色信号が他の色信号のあとに到達した場合、ビデオ画面上のオブジェクトの周囲に、赤や青、緑の影が現れます。
UTP ケーブルはメーカーによって大きく異なるため、ビデオエクステンダをインストールする前に、色ずれの問題があるか判断することは困難です。ケーブルのグレードが高い (CAT5e/CAT6)、ケーブル配線が比較的長い、画像の解像度が高い場合は、色ずれのおそれが高くなります。
色ずれが発生した場合は、1) より短いケーブルを使用する、2) CAT5e、CAT6 ケーブルから CAT5 ケーブルに切替える、3) 画面の解像度を低くする、4) ビデオスキュー補正器を使用する、ことで解消できます。
ビデオスキュー補正器は、ワイヤペアの差を補正するため、いくつかの色信号を遅延させることで色ずれを除去します。