ケーブル階層の、CAT5e に続く次のレベルは、2002年6月に TIA/EIA により承認された CAT6(ANSI/TIA/EIA-568-B.2-1)です。CAT6 は、CAT5e より高いパフォーマンスを実現し、クロストークやシステムノイズについてはさらに厳しい仕様を備えています。
データ伝送の品質は、チャネルの全てのコンポーネントの性能によって決まります。よって、CAT6 の仕様に応じてデータ送信するには、ジャック、パッチケーブル、パッチパネル、クロスコネクト、およびケーブルのすべてが CAT6 仕様を満たしている必要があります。(チャネルは、ウォールプレートからワイヤリングクローゼットまでの全てを含みます。) CAT6 の各コンポーネントは、個別にテストしたうえで、パフォーマンスを確かめるために同時にテストを行うこともあります。加えて、CAT6 標準では一般的なシステム性能が要件であるため、製造者に関わらず、どの CAT6 コンポーネントもチャネルで使用できるようになっています。
CAT6 チャネル伝送要件は、200MHz で 0以上、または同等の電力和減衰対遠端漏話比(PS-ACR)を実現しなければいけません。
さらに、すべての CAT6 コンポーネントが、CAT5e、CAT5、CAT3 と下位互換性をもつ必要があります。CAT6 コンポーネントと共に、異なるカテゴリのコンポーネントを使用する場合、チャネルはより低いカテゴリの伝送性能を実行します。例えば、CAT6 ケーブルをCAT5e のジャックと使用する場合、チャネルは CAT5e のレベルで実行されます。
CAT6A は、銅線標準における 10ギガビットイーサネット(10GbE)です。その要件は、2009年8月に発表された ANSI/TIA-568-C.2(バランスツイストペア通信ケーブル接続とコンポーネントの標準)に述べられています。CAT6A 標準は、CAT6A の LAN ケーブル配線による 100m の 4コネクタツイストペア LAN ケーブルで、10ギガビットのデータ伝送を定義しています。これにより、システムが、クラスE のオーグメンテッドケーブルの使用を規定している IEEE 802.3an と、10GBASE-T のための IEEE 標準をサポートすることが保証されています。
CAT6A は、250MHz から 500MHz まで電気仕様を拡張しています。また 500MHz では、パワーサムエイリアンクロストーク(PS-ANEXT)を備えています。エイリアンクロストーク(ANEXT)は、隣接するケーブル内の信号から生じた不安定なペアを結合した信号です。
エイリアンクロストーク(ANEXT)の問題を解消するためには、CAT6A F/UTP ケーブルを使用します。F は、PS-ANEXT を排除するアウターフォイルシールドを示しています。CAT6A は信号を放出しないため、セキュリティが課題となっている場合に良い選択です。また、CAT6A F/UTP ケーブルは、EMI が多いノイズのある環境においても適切に動作します。
詳細について: エイリアンクロストーク、10ギガビットイーサネット さらに詳しく: CAT7/ClassF