米 WWE
高性能 KVM DKM マトリクスシステムで
膨大な番組の制作効率を向上

背景

世界最大級のスポーツエンターテイメント企業 ワールドレスリングエンタテインメント社 (WWE) は、全世界約 3,600 万人の視聴者に年間 500 以上の試合を放映、月平均 400 時間の放映プログラムを制作しています。米国スタンフォードの約 2万 3,000 ㎡の敷地にある施設内のビル 2棟、モジュール式トレーラ 5か所のほか、隣接する 3か所のスタジオとオフィスで、膨大なコンテンツの制作業務が行われています。そのデータセンタも 3棟のビルに分散する形で 9か所あり、全体で 1.6km を超える光ファイバで、各現場を繋いでいます。

課題

WWE では、増加する制作業務の負荷を軽減する新しい KVM システムの導入を検討していました。施設には 64 のポート数しかなく、回線の信頼性が低くシステム障害が頻発していたのと、アナログの VGA システムでは長距離伝送がうまく行えずビデオ画質の低さや解像度の制限が問題になっていました。制作チームのグラフィックスシステムも別のマトリクスにあったため、システムからシステムへの移動も大変でした。
それに加え、プロデューサがコントロールルームで複数の画面をシームレスに動かしながら高解像度映像を利用できる最新の環境を整え、制限がなく、使いやすいユーザ管理システムにエンジニアリングシステムやオペレータシステムを追加できる柔軟性を備えることで、作業効率を向上させたいと考えていました。

ソリューション

「Black Box なら、必要な製品がほとんど入手できます。設置後、別の機器が必要になった場合も柔軟に対応し、配線もスムーズに完成しました。大改修でしたが、1社にすべてを任せることができたのは楽でした」と、WWE の Veldhuis 氏は言います。 マトリクスに装着した 1台の機器で 8つのモニタに接続する「8 in 1」ソリューションも決め手となり、結果、コンピュータからコンピュータへとプロデューサが移りまわっていた頃より、はるかにスピーディに作業ができるようになりました。作業環境には、ノンリニア編集システム 130台、グラフィック制作用ワークステーション 27台、リニア編集機 3台、コントロールルーム群、吹替ブース 4企を含むオーディオ制作室 5つ、音楽作成室、バーチャルスタジオ、ハードウェア群など多くの機材があり、Black Box にとっても大規模なプロジェクトでした。 3 か月の構築期間で、246台のトランスミッタ・レシーバを搭載した 288ポートのスイッチを導入し WWE の既存システムを刷新したほか、追加の制御室用に 36台のトランスミッタ・レシーバを搭載した 48ポートのスイッチも導入し、将来の必要に応じて、576ポートのスイッチにアップグレードできる設計にしました。

導入後の効果・将来

新システム導入以来、チームの効率が高まり、制作制御室のワークフローに大きな改善をもたらしました。どこからでも作業できる柔軟性で、制作スタッフが別の部屋で映像編集することも当たり前になりました。ビデオ品質が維持され、映像と制御の遅延がないため、コンピュータを直接操作している感覚で業務に集中できます。複数のディスプレイを備えたユーザワークステーション 1台から数百台のコンピュータにアクセスできることも、さらなる作業効率の向上に貢献しました。

新システムのもう 1つの大きな利点が、“集中取込み” で、Black Box が開発した GFX KVM が重要な機能をサポートしています。「マウスとキーボードで、AVID、EVS の両方にアクセスできます。両方のシステムでシームレスに作業しファイルやライブ映像を取り込めるので、共有がはるかに簡単になりました。機器をいくつか購入しただけで制作ニーズを叶えることができ、コストの節約にもなりました」と高評価をいただきました。

採用製品

ServSwitch DKM FX 4K/
フルHD デジタル
マトリクス KVM スイッチ

大規模向け、4K60 / フルHD、2560x1600 映像信号と周辺信号を、柔軟かつ超高速クロスポイント切替・拡張