ファイバチャネル
ファイバチャネルとは何か?
ファイバチャネルは、2芯、シリアルインタフェース上で、高速データ転送を提供するよう設計された一連の通信規格です。また、データ転送を管理するために、FDDI、SCSI、HIPPI、およびIPIなどの高水準プロトコルを含む複数のプロトコルをサポートするオープン規格となっています。
これは133Mbpsから4Gbpsの範囲で動作しますが、最も一般的には、1Gbps、または2Gbpsの速度で使用されています。標準化関連団体は、10Gbpsの速度がもうすぐ登場することを最近発表しました。
なぜファイバチャネルと呼ばれているのか?
本来ファイバチャネルは光ファイバのみをサポートするように設計されていました。銅線が追加された際に、国際標準化機構(ISO)の担当チームが、改名する代わりに、ファイバのスペルをfiberからfibreに変更しました。
ファイバチャネルの歴史
ファイバチャネルは1988年に開発され、米国規格協会(ANSI)が、1989年に委員会を結成しました。相互運用を確保するため、1992年に、IBM®、Hewlett-Packard®、Microsystems®が一時的な組織であるFCSI(ファイバ チャネルシステム イニシアティブ)を結成しました。FCSIは後に解散し、1994年、開発はFCA(ファイバ チャネルアソシエーション)に引き継がれました。ANSIは1994年にファイバチャネルを標準として認めました。
両方の長所
このハードウェアベースの標準では、1つのI/Oインタフェースに、チャネルとネットワーク通信方式の、両方の長所を兼ね備えています。これは、ソフトウェア集約型ネットワークテクノロジの幅広い接続性と、長距離におけるメリットを利用できます。さらに、SCSIバステクノロジのような低いオーバーヘッドを提供する、ハードウェア集約型のより迅速なポイント ツー ポイントチャネルリンクの長所も利用しています。
ファイバチャネルの使用場所
ファイバチャネルは、スーパーコンピュータ、メインフレーム、ワークステーション、デスクトップコンピュータ、ストレージ装置、ディスプレイ、その他周辺機器間で大量のデータを迅速に転送するために使用されます。ファイバチャネルは、信頼性、スケーラビリティ、混雑のないデータフロー、ギガビット帯域幅、複数のトポロジおよびプロトコルとの互換性、フロー制御、セルフマネジメント、活性交換性、スピード、コスト効率、ループ弾力性、長距離での使用可能性を備えています。これは、インターネットやイントラネット、データウェアハウス、ネットワークストレージ、統合オーディオ、ビデオ、リアルタイムコンピューティング、オンラインサービス、イメージングなどの大規模なデータ操作に最適です。
現在この技術の最も人気のあるアプリケーションは、ストレージエリアネットワーク(SANs)です。SAN内にあるストレージ集中管理の独立した方式(例えば、RAID、テープバックアップやライブラリ、CD-ROMライブラリ)は、ファイバチャネル バックボーンでより効率的に実行されます。
ファイバチャネルトポロジ
ファイバチャネルは、3つの方法により接続することができます。全ての場合において、ネットワークのトポロジは、接続されたデバイスに対して透過的です。
ポイント ツー ポイントは、2つの接続されたデバイス間の単純な双方向リンクを使用する最もシンプルなトポロジです。
アービトレート型ループは、最も一般的で、かつ最も複雑なトポロジです。これは、共有されているメディア全体で、最大126台までのデバイスを接続 、分散し、共有の帯域幅を提供します。ループ上の2つのポートは、全てのポート間のアービトレーションを経て、ポイント ツー ポイント、フルデュプレックス接続を確立します。
クロスポイントまたはファブリック スイッチトポロジでは、クロスポイントスイッチ設定により最大2つまでのデバイス(24番目まで)に接続するために、24ビットアドレッシングを使用しています。これは、多くのデバイスが同時に通信することを可能にし、共有メディアを必要としません。
ファイバチャネル層
ファイバチャネルプロトコルは、5つの階層に分けられます。FC-0~FC-2までの3つの低階層は、物理的伝送標準を定義します。FC-3、およびFC-4の層は、その他のネットワークプロトコルとインタフェースのアドレスを指定します。
FC-0: メディアと物理リンクを定義するインタフェース層です。
FC-1: 送信エンコードまたは送信デコード層。8ビットの情報が1度に10ビットの伝送キャラクタに符号化されます。(IBMから8B または10B)
FC-2:基本的なシグナリングおよびフレーミングを行う搬送メカニズムとして機能するシグナリングプロトコル層です。FC-2は、次のサービスのクラスを含みます。
- クラス1は、 専用の接続を備えています。インターミックスは、クラス1サービスのオプションのタイプで、クラス1のフレームは特別な量の帯域幅を保証されています。
- クラス2はまた、マルチプレックスとして知られているフレームスイッチのコネクションレス型サービスです。これは、配信を保証し、トラフィックの受信を確認します。
- クラス3は、1対多の、コネクションレス、フレームスイッチサービスです。バッファ ツー バッファ フロー制御を使用し、フレームのデリバリを確認しない点以外は、クラス2に類似しています。
FC-3:ストライピング、ハントグループ、およびマルチキャストなどの高度な機能のために必要な、一般的なサービスを提供する共通サービス層です。
FC-4: 同じ物理インタフェイスを介して、一斉に送信するネットワークおよびチャネルデータのプロトコルマッピングのための上位層です。
ファイバチャネルメディア
ファイバチャネルは、銅線または光ファイバ上で最大1Gbpsで動作しますが、より速いスピードには光ファイバが必要となります。銅線ケーブルでは、ビデオ同軸、ミニチュア同軸、または、最も一般的には、DB9またはHSSDCコネクタ装備のシールド付きツイストペアケーブルを用いることができます。光ファイバの選択肢としては、62.5μmまたは50μmのマルチモード、および7µmまたは9µmのシングルモードファイバで、いずれもSCコネクタを含んでいます。
その他のファイバチャネル装置としては、ディスクエンクロージャ、ドライバ、エクステンダ、ハブ、インタフェースコンバータ、ホストバスアダプタ、ルータ、スイッチ、SCSIブリッジが含まれます。
さらに詳しく: 光デジタルケーブル